夏に増える皮膚病について
2013.06.08
まもなく暑い夏が到来します
夏は、気温も湿度も高くなるため、体中を毛で覆われている動物たちにとっては過ごしにくく、また皮膚病も多くなる季節です。
今回は、飼い主様が気を付ける事で予防をしてあげられる2つの皮膚病についてご紹介します。
・ノミアレルギー性皮膚炎
Q.なぜ起こるの??
A、ノミが血を吸うときに出す唾液によってアレルギー反応は引き起こされます。
Q.ノミが沢山いると病気になるの?
A、いいえ。
症状の程度は、ノミの寄生数ではなく、ココの動物の過敏症の程度によります。なので、たった一匹に血を吸われただけでも症状が重くなる場合もあります。
A、痒みを伴い、脱毛や皮膚の赤み、ポツポツとしたできもの、かさぶた等が見られます。背骨に沿って、腰やお尻病変が広がるのが特徴です。猫ちゃんはお腹に病変が見られることもあります。
Q.予防方法は?
A、ノミの寄生を防ぐことが大切です。トラブルが生じる前に、お薬でしっかりとノミを予防しましょう。
Q.どんなお薬があるの?
A、当院で扱っているタイプのお薬を紹介します。
①フロントラインプラス(スポット剤=皮膚に滴下するお薬)
ノミの他にマダニ・ハジラミにも効果があります。
1〜2ヶ月に一回の投与です。
②レボリューション(スポット剤)
ノミの他にフィラリア・耳ダニ・猫回虫に効果があります。
1ヶ月に1回の投与です。
③※ネコちゃんのみブロードライン(スポット剤)
ノミの他にマダニ・フィラリア・消化管内寄生虫(猫回虫・猫鉤虫・条虫)
1ヶ月に1回の投与です。
③コンフォティス(錠剤=内服薬)
ノミの他にマダニに効果があります。(マダニ駆除の承認は犬のみ)
1ヶ月に1回の投薬です。
④パノラミス(錠剤=内服薬)
ノミの他にマダニ・フィラリア・消化管内線虫に効果があります。
1ヶ月に一回の投薬です。
⑤※ワンちゃんのみネクスガード(チュアブル剤=内服薬)
ノミの他にマダニに効果があります。
1ヶ月に一回の投与です。
⑥※ワンちゃんのみネクスガードスペクト(チュアブル剤=内服薬)
ノミの他にマダニ・フィラリア・消化管内線虫に効果があります。
1ヶ月に一回の効果です。
◎ノミ予防薬について分からない点等がありましたら、スタッフまでご相談下さい。
・急性湿疹(急性湿性皮膚炎・ホットスポット)
Q.なぜ起こるの?
A、シャンプー後や水遊びの後、雨に濡れた後など、体が水で濡れた時に被毛を根本までしっかりと乾かさずに放置しておくと、皮膚が蒸れて細菌が繁殖してしまうことが原因です。
A、はじめに、密集した赤く小さな湿疹が出来ます。その湿疹の痒みから患部を舐めたり、咬んだりするようになり、唾液で湿っぽさが増し、更に蒸れて症状は悪化します。すると脱毛し、500円玉〜10㎝位の赤むけた皮膚が露出します。強いかゆみと痛みを伴うのが特徴です。
はじめはほんの小さな病変でも、このサイクルが症状を急速に悪化させてしまいます。放置すると、数時間でみるみる悪化してしまう事もあるので、皮膚を舐めたり、咬んだりする仕草が見られたら、すぐに皮膚の状態を確認しましょう。
Q.予防方法は?
A、体が濡れた後は、被毛を根本までしっかりと乾かすことが大切です。全身はもちろんですが、散歩後に部分的に洗ったりした時も濡れた部分はしっかりと乾かしましょう。特に、長毛種や毛が密に生えている犬ちゃんは要注意です!
最後に・・・・
日々のスキンケアの基本はブラッシングです。
ブラッシングは不要になった毛や、もつれ毛などを取り除いて通気性を良くしたり、皮膚の血行を刺激して健康な皮膚・被毛の成長を促進します。
また、皮膚の寄生虫や皮膚病変の早期発見にも役立ちます。
そしてもうひとつ、飼い主様と動物とのコミュニケーションという大きな役割もあります。1日数分からでも、毎日ブラッシングをしてあげられると良いですね。
ブラッシングが苦手な犬ちゃん・猫ちゃんも、はじめは体に触れることから少しずつならしてあげましょう。