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犬や猫の定期検診について|血液検査でわかること

2024.12.26

犬や猫の定期検診について|血液検査でわかること

 

犬や猫は大切な家族の一員として、私たちに毎日癒しと喜びを与えてくれます。しかし、犬や猫は自分で体調の変化を言葉で伝えることができません。それにより、病気や不調が体内で進行していても気づきにくいことがあります。そのため、定期的に血液検査や血圧測定などの検診を受けることで、病気の予防や早期発見が可能になり、愛犬や愛猫の健康を守ることができます。

 

今回は犬や猫の定期検診について、重要性や血液検査でわかること、受けるべき年齢やタイミングなどを詳しく解説します。

 

 

■目次
1.定期検診の重要性
2.血液検査で分かる主な項目
3.定期検診を受けるタイミングと年齢別の注意点
4.血圧測定の重要性
5.定期検診で早期発見できる病気とその予防
6.まとめ

 

 

 


定期検診の重要性

犬や猫が健康を維持し長生きするためには、私たち人間と同じように定期検診を受けて病気の早期発見や予防に努めることが大切です。犬や猫は病気の初期段階では症状を隠す傾向があります。そのため、飼い主様が気づいたときには病状が進行していることが少なくありません。

 

定期検診では、視診や触診だけでなく、血液検査や血圧測定を通じて体の状態を総合的に評価することができます。

 

 

 

血液検査で分かる主な項目

<CBC(血球計算)>

白血球や赤血球、血小板の数を調べ、感染症や炎症、貧血の有無を確認します。

 

<BUN(尿素窒素)・CRE(クレアチニン)>

腎臓の機能を評価する指標で、腎不全や腎障害の早期発見に役立ちます。

 

<AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)・ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)・ALP(アルカリホスファターゼ)>

肝臓や胆道の機能を調べる指標で、肝炎や胆管閉塞、薬剤性の影響もチェックします。

 

<TCHO(総コレステロール)・TG(トリグリセリド)>

脂質の代謝異常の指標で、食生活や肥満の影響も分かります。

 

 

他にも血糖値や炎症マーカーなどをチェックし、体の状態を総合的に判断します。また、これらの数値に異常が見られる場合はさらに詳しい検査(超音波検査や尿検査など)を行うことで、病気の診断を確定することができます。

 

 

定期検診を受けるタイミングと年齢別の注意点

初めての検診

最初に検診を受けるのは避妊・去勢手術を行うときがお勧めです。手術前には、血液凝固検査(出血をしっかり止められるかどうかの検査)を行うために採血を行います。この機会に血液検査も一緒に行うことで、何度も採血をする必要がなく、犬や猫への負担を軽減できます。また、手術時に麻酔を使用するため、全身の健康状態を評価することができます。

 

 

年齢に応じた検診の頻度

<若年期(~6歳まで)>

年に1回の検診で健康状態を確認します。若いうちからデータを蓄積しておくことで、将来的な異常の早期発見に役立ちます。

 

<シニア期(7歳以上)>

年齢を重ねると病気のリスクが高まるため、6歳以降は年1回以上の検診が推奨されます。

 

 

血圧測定の重要性

健康診断では血圧のチェックも非常に重要です。血圧は特に腎臓の健康状態と密接に関わっています。腎不全が進行すると、体内の水分量や塩分量の調節がうまくできなくなり、血液量が増加して血圧が上昇する原因となります。

 

 

また、腎臓が血圧を調節するホルモン(レニン)を分泌しているため、腎不全によりこのホルモンの分泌が異常になると、血圧が上昇することがあります。さらに、血圧の上昇自体が腎臓に負担をかけ、高血圧が原因で新たな腎臓病を引き起こすケースもあります。

 

腎臓病の治療では、血圧異常があるかどうかによって使用する薬が変わるため、血圧の確認は欠かせません。これらの理由から、健康診断で血圧をしっかりと測定し、腎臓の状態を把握することが大切です。

 

 

 

定期検診で早期発見できる病気とその予防

<腎臓病>

症状が現れにくいため、血液検査での早期発見が重要です。病気に気がついたときには腎機能の大部分が失われているケースが多いため、定期的な検査で腎臓の健康をモニタリングする必要があります。また、 早めに気がつくことができれば週1〜2回の皮下点滴通院や食事療法(腎不全用の処方食)で管理できることもあります。

 


犬や猫の腎臓病についてはこちらから

 

<肝臓病>

肝臓の数値に異常が出た場合、早期の治療を開始することで予後が大きく改善します。脂肪肝や肝炎、胆管閉塞など、原因に応じた治療が可能です。

 

 

<糖尿病>

血糖値や脂質の異常を定期的にチェックすることで、糖尿病やその予備軍を早期に発見できます。

 

犬と猫の糖尿病についてはこちらから

 

 

まとめ

定期検診は、愛犬や愛猫の健康を守るための最も効果的な手段の一つです。若いうちから定期的に検査を受け、健康な状態を記録することで、年齢とともに体に起こる変化を早期に察知することができます。検診は病気の早期発見だけでなく、予防の観点からも非常に有効です。

 

飼い主様として、愛犬や愛猫の健康寿命を延ばすために、ぜひ定期検診を習慣に取り入れてみましょう。

 

 

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