腎臓病
2014.12.01
高齢のワンちゃんや、特にネコちゃんに多く見られる病気の一つとして腎臓病があります。
腎臓の機能が低下して、正常に働かなくなった状態を腎不全と言い、時間的な経過の違いにより「急性腎不全」と「慢性腎不全」に分かれます
老齢期で多く見られるのは【慢性腎不全】です。
・ 体に不要になった老廃物や毒素を尿と一緒に排出する。
・ 体内の水分調整やミネラルバランスの調節
・ 造血ホルモンの分泌(造血ホルモン分泌の低下→赤血球の産生が低下し、貧血になる)
・ 血圧の調節
・ ビタミンDの活性化(活性型ビタミンD→正常な骨を維持するために必要なホルモン)
・・・上記のように、腎臓は生きていく上で、とても重要な働きをしています!!
そのため、腎臓は高い予備能力を持っています。
腎臓の機能が低下してもこの予備能力が働いてくれるため、初期の段階では異常を検出しにくく腎臓の機能が7割以上失われてやっと症状が出てきます
ということも珍しくありません!
一度壊れてしまった腎臓の組織は、修復や再生がほとんど出来ないため、慢性腎不全の状態になると完治を望めません。
そのため腎臓病を早期に発見し、 病気の進行を少しでも遅らせてあげる事が最も重要になります!
・ 多飲多尿・・・・お水をよく飲み、お水のような薄い尿をする。トイレを失敗する様になった。
・ 食欲不振・・・・最近何となく食べる量が減ってきた。
・ 元気消失・・・・この頃寝てばかりいる。
・ 体重減少・・・・それなりに食べて動いているけど見た目に痩せてきた気がする。
・ 口臭の悪化・・・口が臭うようになった。食事中に口を痛がる仕草をする。
・ 嘔吐・・・・・・最近たまに吐いている。
・ 毛づやの悪化・・毛並みが悪くなった。
先にも記載したとおり、症状が何も出ていなくても高齢の動物の場合は腎臓の機能が低下してきている可能性が出てきます。そのため、ある程度お年を召してきたら定期的な健康診断を受けて頂く事が腎臓病の早期発見の近道です。
5〜6歳を過ぎたら定期的に健康診断を受けることをお勧めします。
また、高齢期で多く見られる病気のために、症状が現れていても症状が軽度のうちは「もう年だから・・・仕方ないのかな」と様子を見てしまい、治療開始が遅くなってしまうという場合も少なくありません。
「もう年だから・・」と様子を見ずに、今までとは違う症状が現れ始めた時には、少しでも長く一緒に過ごすためにも早め早めに健康診断や診察を受けるようにしましょう!