病気のサイン【多飲・多尿】
2014.04.11
病気のサイン
どんな病気も早期発見!早期治療がとても大切です。
普段の健康状態を把握しておくことはもちろんですが、言葉の話せないワンちゃん・ネコちゃんの場合、私たち飼い主がいかに早く病気のサインに気づけるかが、病気の早期発見の為にはとても重要になります。
今回は数ある病気のサインの中から【多飲・多尿】について説明したいと思います。
【多飲・多尿】
多飲・多尿の多くは様々な病気の初期症状の一つとして起こります。そして、命に関わる様な病気でも見られる特徴的な症状の一つですので、見落とさないよう注意してあげましょう
文字通り多くの水を飲み、多量の尿をすることです。
ただ、飲水量は気候(気温や湿度)に左右され、運動後などには一時的に増加することがあります。
そのために、病気のサインとしての判断が難しく見落としやすい症状の一つだと思います。
・そういえば、この頃排尿時間が長い。
・気がつくと水の器が空になっている事が多い。
・見るとお水を飲んでいる。 などなど・・・
お家のワンちゃん・ネコちゃんで思い当たることはありませんか??
もしかしたら、、、多飲・多尿の症状が出ているかもしれません!
最初にも書きましたが飲水量は状況により一時的に増加することがあるので、多飲・多尿をチェックする際は、一日だけの飲水量や尿量だけでなく、必ず何日間か連日で様子を見てあげるようにしましょう。
飲水量
24時間の飲水量が体重1kg当たり100mlを超える場合、完全な病的飲水量と判断する。
また、それに近い量を飲んでいても、多飲の可能性を注意すべきである。
(例:5kgの子の場合・・・5×100ml=500ml 500ml以上=病的飲水量 400ml〜500ml未満=要注意)
尿量
24時間の尿量が体重1kgあたり50mlを超える場合、多尿と判断する。
(例:5kgの子の場合・・・5×50ml=250ml)
※あくまでも目安なので日常生活よりも多いと感じるようであれば、早めのご来院をおすすめします
また、お食事の種類や服用中のお薬がある時など、その内容によっては飲水量・尿量が通常よりも増える場合もあります。
ただし、そのような場合にも多飲・多尿が疑われた時には、診察を受けることをおすすめします。
〜飲水量・尿量の増える可能性のあるお食事〜
・尿石症の療法食を与えている。
・果物や野菜などの水分を多く含む食事を与えている。
・塩分の多い人間食を与えている。
※お薬については病院に確認をして下さい。
飲水量
・水を容器に入れるときは、計量カップやペットボトルで量っていれる。そして何cc入れたか、その都度メモを取っておく。
(※飲水量を測定する際は、器が空にならない様・水を切らさない様、注意が必要です。大きい器にするかこまめに補充をする様にしましょう。)
・24時間後に容器の水を回収し何cc残っているか量る。(AM9:00から始めたら翌日のAM9:00に残量をチェックする)
・メモで記録してある、容器に入れた水の総量から残っていた水の量を差し引く。=24時間の飲水量
・測定は最低でも4〜5日連日で行います。
尿量
ペットシーツに排尿をさせ、その重さを量ることでおよその尿量を測定できます。
ただし、飲水量とは違い、24時間その都度に尿量を測定するという事は、なかなか大変だと思います。
そのため普段よりも排尿回数が多かったり、外で排尿している場合は見た目の量。トイレシーツやトイレ砂などで排尿をしている場合は染みの大きさや、砂の塊の大きさなどを見て尿量が増えていないかチェックするようにしましょう。
・ 糖尿病
・ 子宮蓄膿症
・ 慢性腎不全
・ 副腎皮質機能亢進症(クッシング症状群)
・ 尿崩症
病気のサインとして食欲低下を目安にされる飼い主様も多いと思います。確かに食欲低下は重要な病気のサインです。
しかしながら、病気によっては必ずしも初期の段階で食欲低下があるとは限りません。上記の病気の中には逆に症状として多食(=食欲が増す事)を示すものもあります。
病気のサイン【多飲・多尿】を知っておくことで、そういった病気の早期発見をすることができます!
そのため、飼い主の皆様が常日頃からおよその飲水量と排尿量を把握しておくことが大切です。
「うちの子は多飲・多尿かな??」と感じたら一度病院にご相談を!