「犬の子宮蓄膿症」
2014.08.20
子宮の内部に膿がたまる病気です。
発情後2~3ヶ月での発症が多いといわれています。
通常は4歳以上での罹患がほとんどで、若齢犬ではまれです。
特に出産経験のない犬は注意が必要です。
(※ただし、出産経験があるからといって、かからないわけではありません。)
子宮の細菌感染によっておこる病気ですが、これには性ホルモンが
大きく関与しているといわれています。
・水をよく欲しがり、尿量も増える
・元気、食欲の減退あるいは消失
・ 吐き気
・ 陰部からのオリモノ(膿の排出)
・ 腹部膨満
※陰部からの膿の排出が全くない場合もあり、
この場合、子宮が破れて腹膜炎をおこす危険性が高まります。
レントゲン検査・超音波検査で子宮の状態(太さ)を確認します。そして、血液検査で全身状態を把握します。
子宮の太さは、大型犬・小型犬問わず、直径1㎝を超えたら異常だといわれています。
発見次第、早急に手術を行い、卵巣と子宮の摘出を行います。
それと併行して、抗生物質の投与や点滴を行い、体力の回復につとめます。
※手術で摘出した子宮の写真
正常な子宮
異常な子宮
異常な子宮
(膿がパンパンに溜まり破裂の危険性もあった)
子宮蓄膿症は、発見が遅れると子宮が破裂して腹膜炎をおこしたり、
全身状態が悪化し、手遅れになってしまう場合もある恐ろしい病気です。
早期発見・早期手術が望まれます。
気になる症状がある場合は早めに受診して下さい。
また、子宮水腫という、子宮の内部に水様性の液体がたまる病気もありますが、
症状や治療等、ほとんど子宮蓄膿症と同様です。
避妊手術によって、卵巣と子宮を摘出しておけば、かかる心配はありません。
繁殖の予定がないのであれば、早めに避妊手術を済ませておくことを
お勧めします。
♦避妊手術の御予約などについては、スタッフまでお問い合わせ下さい。♦