犬や猫の認知症┃主な症状と対策について
2023.11.25
人間同様に、犬や猫にも認知症という症状が存在するのはご存じでしょうか?
医療技術の発達やペットに対する飼い主様の意識の変化から、ペットの寿命も伸びており
それに伴い犬や猫の認知症が増加しています。犬や猫の認知症の症状は様々であるため
しっかりと理解しておくことが大切です。
今回は、犬と猫の認知症について解説します。
症状
犬や猫の認知機能不全症候群 (いわゆる認知症)の症状は非常に多岐に渡ります。
犬や猫の代表的な症状として以下が挙げられます。
・見当識障害:家の中で迷う、部屋の隅から動けなくなるなど
・社会的関心の低下:飼い主様の帰宅に喜ばなくなるなど
・睡眠サイクルの異常:夜中に活動的になる、夜鳴きが増えるなど
・過去に学習したことができなくなる:トイレの失敗をする、しつけが守れなくなるなど
・活動性の変化:意味もなくウロウロと歩き回る、一日中寝ているなど
原因
人の認知症の原因の多くは、アルツハイマー病 (脳内に異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞がダメージを受ける病気)です。犬や猫においても、アルツハイマー病と似たような症状を示すことが多いですが、詳しい原因は分かっていません。
治療法
犬や猫の認知症には、根本的な治療法はありません。
治療は、環境の改善、薬物療法、食事療法、サプリメントなどを組み合わせて症状の緩和を狙います。
・環境の改善
犬と飼い主様の双方が快適に生活できるように環境を整えます。円形サークルで行動範囲を制限したり、家具の角にクッションを設置したり、床に滑り止めのマットを敷くなどして犬の安全に配慮します。
・薬物療法
認知症の症状に効果がある抗うつ薬や精神安定薬、夜間の不眠や夜鳴きに対して睡眠薬などを処方します。
・食事療法
抗酸化物質を含むフードは加齢性変化の進行を遅らせる効果があります。
また、必要な栄養素がバランスよく含まれているため、シニア期専用に調整されたフードが推奨されます。
・サプリメント
抗酸化物質であるビタミン群やDHA、EPAなどの多価不飽和脂肪酸を処方する場合があります。
予防法
認知症は加齢が原因であるため予防法はありません。
犬や猫の健康を維持するために、普段から規則正しい生活とバランスの取れた食事を心がけましょう。
まとめ
犬や猫の認知症は様々な症状を示すため、飼い主様が気づかないうちに発症・進行しているケースもよくあります。認知症には根本的な治療法がないため、早期に発見し、症状の進行を抑えることが重要になってきます。そのため、認知症についてよく理解し、普段から犬や猫の様子を注意深く観察するようにしてください。また、普段の行動や脳の機能に異常を感じたらすぐに獣医師に相談しましょう。
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