犬の心臓病で気を付けることは?┃よくみられる病気や予防法を解説
2024.04.05
犬の心臓病で気を付けることは?┃よくみられる病気や予防法を解説
心臓病は犬の長寿化に伴い発生率が増え、がんや腎臓病と並んで「三大死因」ともいわれています。症状が表に現れにくく、病気の存在に気がついた頃にはかなり進行しているケースも少なくありません。
そこで今回は病気の存在にいち早く気がつけるよう、犬の心臓病について解説していきます。
■目次
1.犬の心臓病って何?
2.どんな疾患があるの?
3.診断や治療
4.どんなことに気を付けたらいいの?
5.まとめ
犬の心臓病って何?
心臓は筋肉でできた臓器で、収縮したり拡張したりすることで全身に血液を送り出す役割を担っています。心臓の中は左右の心房と左右の心室のあわせて4つの部屋に分かれていますが、常に一方向に血液が流れるよう、心房と心室の間に「弁」という扉のような構造物があります。
そして心臓病とは、なんらかの原因でこれらの心臓の機能や構造に異常が生じている状態を指します。症状は病気の種類にもよりますが、主に咳や呼吸困難、運動を嫌がる、疲れやすくなる、舌の色が紫色又は白っぽい、食欲不振、体重減少、失神などがみられ、重度になると肺水腫を引き起こし、早急に治療を行わなければ命を落としてしまう場合があります。
どんな疾患があるの?
犬が発症しやすい心臓病には次のようなものがあります。
・僧帽弁閉鎖不全症
・肺動脈弁狭窄症
・拡張型心筋症
・動脈管開存症
・心室中隔欠損症
・心不全
・不整脈
・フィラリア症
このうち、犬に最も多いのが僧帽弁閉鎖不全症です。僧帽弁閉鎖不全症は遺伝的な問題や加齢などが原因で左の心房と心室の間にある僧帽弁が肥厚したり歪んだりすることで弁がきちんと閉まらなくなる状態のことを指します。血液の逆流が起こるため、心不全症状を引き起こします。
まずは聴診を行い、心雑音を確認します。続いて心臓超音波検査や胸部レントゲン検査、心電図検査、血液検査などを行うことで診断します。
治療法には投薬と外科手術がありますが、多くはご自宅での投薬が選択されます。しかし、基本的には投薬だけでの完治は難しく、生涯に渡って治療を行う必要があります。
手術を希望される場合は必要に応じて専門病院や大学病院をご紹介いたしますので、診察の際にご相談ください。
どんなことに気を付けたらいいの?
フィラリア症は予防薬を適切に投与することで、100%感染を予防することができます。そのため、毎年忘れずに予防を行うようにしましょう。
また、心臓病と診断された場合はなるべく心臓に負担がかからないよう、激しい運動は控え、肥満にならないよう体重管理にも気をつけましょう。そして、投薬中に自己判断でお薬をやめてしまったり飲み忘れが多かったりすると、かえって悪化してしまう恐れがあります。そのため、治療を開始したら投薬は毎日切らさず生涯継続することが必要です。
まとめ
心臓病を発症すると次第に呼吸が苦しくなり、運動をした後でもないのに呼吸数が増えます。健康な犬の場合、安静時の呼吸数は1分間に40回以内ですので、日頃から呼吸数を確認する癖をつけておきましょう。
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