犬の洞不全症候群について|中高齢の犬は特に要注意!
2024.06.18
犬の洞不全症候群について|中高齢の犬は特に要注意!
犬の洞不全症候群とは、心臓のペースメーカーの役割をしている洞房結節の機能が低下し、心臓の動きが悪くなることで徐脈や心不全などが起こってしまう病気です。
この病気は加齢とともに多く見られる傾向があるため、中高齢の犬では特に注意が必要です。
今回は犬の洞不全症候群について、原因や症状、治療方法などを解説していきます。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
心筋炎や心内膜炎、心筋症、心臓の腫瘍、迷走神経の緊張などによって洞房結節に問題が起きることで、心筋を規則的に動かすための電気刺激が正常に出なくなり、その結果徐脈や頻脈などの不整脈が引き起こされます。
特に中高齢の犬や、ミニチュア・シュナウザーやダックス・フント、コッカー・スパニエルなどの犬種では起こりやすいことが知られています。
軽度の洞不全症候群では、見た目から分かる症状は現れないことがほとんどです。
病気が進行すると、不整脈からふらつきや運動不耐性、突然の嘔吐、失神などの症状が現れるようになります。
洞不全症候群の診断には、心電図検査によって特徴的な心拍の異常を確認する必要があります。
一般的な健康診断で見つけることは難しいため、ドッグドックなどの詳細な健康診断を受けることが重要です。
治療には、内科療法と外科療法があります。
内科療法
心拍数を増やす薬や強心剤、血管拡張剤、抗不整脈薬、消炎剤などの薬を症状や重症度に合わせて服用します。
外科療法
内科療法への反応が悪い場合や重症である場合に検討され、手術によって心臓にペースメーカーを埋め込み、心臓の動きを正常にします。
残念ながら、洞不全症候群の発症を防ぐ明確な方法はありません。
病気が進行し重症化すると命にかかわることもあるため、日頃から愛犬の様子に気を配り、何か異変がある場合にはすぐに動物病院を受診しましょう。
また、洞不全症候群は中齢以降の犬に多くなる傾向があるため、7歳を過ぎたらドッグドックを受けることをおすすめします。
当院でもドッグドックを受けられますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
洞不全症候群は発症しても目に見える症状が現れないことも多いため、気付いた時にはすでに病気が進行していた、ということも少なくありません。
毎日の愛犬の様子をよく観察するとともに、定期的に健康診断やドッグドックを受けることで病気の早期発見に努めることが大切です。
また、もしも愛犬に気になる様子が見られた場合には、早急に動物病院を受診しましょう。
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