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なぜ獣医師は体重測定を重視するのか?|犬や猫の健康管理の新常識

2025.03.20

なぜ獣医師は体重測定を重視するのか?|犬や猫の健康管理の新常識

 

動物病院を訪れると、診察のたびに体重を測定されることに疑問を持ったことはありませんか?「うちの子は元気だし、特に体重は気にしていない」という飼い主様も多いかもしれません。しかし、犬や猫の健康管理において体重の増減は重要なサインとなります。

 

犬や猫は自分で体調不良を言葉にできないため、体重の変化が唯一の手がかりとなることも少なくありません。さらに、体重測定は採血やレントゲンのように負担がかからず、ご家庭でも簡単に行える健康管理の方法です。

 

今回は犬や猫の体重測定の重要性や、体重変化の原因、家庭での管理方法について詳しく解説します。

 

 

■目次
1.犬や猫の体重測定は健康管理の基本
2.犬や猫の体重変化の原因
3.体重変化から考えられる主な病気
4.獣医師に相談すべきタイミング
5.ご家庭でできる正しい体重管理法
6.よくある質問(Q&A)
7.まとめ

 

 


犬や猫の体重測定は健康管理の基本

体重測定は、犬や猫の健康状態を知るための基本的な手段です。例えば、「最近元気がない」「食欲が落ちている」といった変化は主観的な判断になりがちですが、体重は数値として客観的に把握できるため、健康のバロメーターとして非常に有効です。

 

 

【定期的な体重測定のメリット】
<病気の早期発見につながる>
急激な体重の増減は、内分泌疾患や消化器疾患などのサインかもしれません。

 

<適正体重を維持しやすい>
肥満や過度な体重減少を防ぐことで、健康的な生活をサポートできます。

 

<食事管理の調整がしやすい>
成長期やシニア期など、ライフステージに応じた適切な食事管理を行うための指標となります。

 

【理想的な測定頻度】
子犬・子猫:週に1回(成長スピードが速いため)
成犬・成猫:月に1回

 

 

犬や猫の体重変化の原因

体重の変化には以下のように、さまざまな要因が関係しています。

 

【体重が増えた場合の原因】
<成長による体重増加>
子犬・子猫は成長過程で自然に体重が増加します。

 

<食べ過ぎ・おやつの過剰摂取>
適正量以上のフードやおやつを摂取すると、カロリーオーバーになり肥満につながります。

 

 

<運動不足>
散歩の回数が少ない、遊ぶ時間が短いと、消費カロリーが減り脂肪が蓄積します。

 

 

<病気による代謝の低下>
甲状腺機能低下症やクッシング症候群などのホルモン疾患では、代謝が低下し、食事量が変わらなくても体重が増加することがあります。

 

【体重が減った場合の原因】
<加齢による筋肉量の低下>
シニア期に入ると、筋肉が減り体重が落ちやすくなります。

 

<食欲不振>
病気やストレスで食事量が減ると、当然ながら体重も減少します。

 

<消化・吸収の問題>
慢性腸症や膵炎などにより、食べたものがうまく消化・吸収されないと、栄養不足となり体重が減ります。

 

<病気による代謝の変化>
甲状腺機能亢進症では代謝が異常に活発になり、食事量が増えても体重が落ちることがあります。

 

 

体重変化から考えられる主な病気

体重の増減がある場合、以下のような病気が隠れている可能性があります。

 

【体重が増えた場合に考えられる病気】
甲状腺機能低下症:代謝が落ち、太りやすくなる
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症):コルチゾールの過剰分泌により体脂肪が増加

犬の甲状腺機能低下症についてはこちらから

 

【体重が減った場合に考えられる病気】
糖尿病:高血糖によりエネルギー代謝が異常をきたす
甲状腺機能亢進症:代謝が異常に高まり、痩せてしまう
腎臓病:慢性的な腎機能低下により体重が減少
慢性腸症:消化不良により栄養をうまく吸収できない
がん:腫瘍があることで体重減少が起こることがある

 

 

犬と猫の糖尿病についてはこちらから
犬の糖尿病についてはこちらから
猫の甲状腺機能亢進症についてはこちらから
猫の慢性腎臓病についてはこちらから

 

 

獣医師に相談すべきタイミング

「体重測定だけのために動物病院に行くのは気が引ける…」と感じるかもしれませんが、当院では体重測定のみのご来院も大歓迎です。特に以下のような場合は、ぜひ獣医師にご相談ください。

 

・急激な体重の増減があった(短期間で500g~1kg以上変化した場合)
・食事量が変わらないのに体重が変化している
・シニア期に入り、体重が減り続けている

 

 

また、健康診断の一環として、定期的に動物病院での体重測定を活用しましょう。

 

 

ご家庭でできる正しい体重管理法

体重測定はご家庭でも簡単にできますが、以下のポイントをおさえましょう。

 

【体重測定時のポイント】
測定条件を統一する:毎回同じ時間・食事前後など一定の条件で測る
測定結果を記録する:日々の変化を把握しやすくする

 

 

【体重変化を防ぐための食事管理】
・ライフステージに応じたフードを選ぶ
・おやつのカロリーは1日の摂取カロリーの10%以内に抑える
・適切な運動を取り入れ、消費カロリーを確保する

 

 

よくある質問(Q&A)

Q:子犬・子猫の体重測定はいつから始めるべき?
A:飼い始めたその日から測定をスタートしましょう。成長期の小さな変化は健康状態に大きく影響します。

 

Q:避妊・去勢後の体重変化は正常?
A:はい、正常です。避妊・去勢後はホルモンバランスの変化で太りやすくなるため、食事管理が重要です。

 

Q:季節による体重変化は心配?
A:冬場は活動量が減り、体重が増えやすくなります。急激な変化がある場合は獣医師に相談しましょう。

 

 

まとめ

体重測定は、ご家庭でもできる健康管理の手段の1つです。日頃から愛犬・愛猫の体重をチェックし、小さな変化を見逃さないようにしましょう。ご家庭での測定が難しい場合は、お気軽に当院にご来院ください。

 

 

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