インコの卵詰まりについて┃生活習慣を見直してできるだけ予防しましょう!
2024.04.05
インコの卵詰まりについて┃生活習慣を見直してできるだけ予防しましょう!
メスのインコと生活していると最も心配な病気のひとつが卵詰まりです。動物病院でも日常的に遭遇する病気のひとつでもあります。卵詰まりで危険な状態になってから動物病院を訪れるインコも多いですが、いち早く対処することが大切です。
今回はインコの卵詰まりについて、原因や治療法などを詳しくご紹介していきます。
■目次
1.インコの卵詰まりとは
2.原因
3.診断や治療
4.予防法やご家庭での注意点
5.まとめ
インコの卵詰まりとは
卵詰まりとは、卵が産卵の道である「卵管」という場所に留まる状態です。専門用語では「卵塞」、「卵秘」などと呼ぶこともあります。詰まっている卵は一つだけとは限らず、複数詰まることもあります。
また、インコは羽を膨らませてうずくまったり、荒い呼吸をしたり何度も産卵しようといきむこともあります。
長時間いきみすぎると、卵管が体外に出てしまう「卵管脱」を併発することもあり、卵管脱を放置すると12時間以上で死亡リスクが上がると言われています。
原因
原因には、病気や生活習慣が挙げられます。これらが複数の要因が重なって起こることも多いです。
卵詰まりをおこす病気としては「卵管炎」が挙げられます。卵管炎は卵の道である卵管が度重なる産卵で傷ついたりホルモン異常や細菌感染などが原因で炎症する病気です。
また、病気以外では次のような症状が原因で発症する場合があります。
・発育不良
・高齢
・肥満
・日光不足
・寒さ
・カルシウム不足
・ビタミン不足
・産卵のし過ぎ
・発情のし過ぎ
・明るい時間が長い など
診断や治療
診断は腹部の触診で行えることが多いですが、詰まっている卵の個数や位置の確認のためにレントゲン検査を行います。
治療はインコの状態によって異なります。
軽症の場合は加温後、カルシウム、ビタミン、糖分などを投与して自力産卵を促します。
詰まっている卵がたくさんあったり重症の場合は加温のうえ酸素吸入や補液を実施し、潤滑剤を「総排泄口」(卵の出口)から注入して押し出します。場合によっては麻酔をかけて外科的に卵を摘出することもあります。
予防法やご家庭での注意点
予防のためには肥満を避け、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
日光浴はカルシウム不足を防ぐために必須ですが、1日のなかで明るい時間が長すぎると発情につながるため、夜になったらしっかり遮光して暗い時間を作りましょう。
インコは発情時に背中に刺激を受けるとオスに乗られたと捉えて排卵するため、発情して尾羽をあげたり、特徴的な声で鳴いている時に背中を撫でたりするのは避けましょう。
また、卵詰まりは早期の対応が重要なので、インコの羽が膨らむなどいつもと様子が違う時はすぐに動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
今回の記事ではインコの卵詰まりについてお伝えしました。卵詰まりは生活習慣に関与していることが多く、一度起こすと繰り返す傾向もあります。もし卵詰まりになってしまったら鳥に詳しい動物病院で適切な飼育方法を相談してみましょう。
また、当院では春日部市から鳥の受診や相談件数が多く見られます。
鳥についてご不明点などございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
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