インコの羽が抜ける…|これって病気?
2024.05.21
インコの羽が抜ける…|これって病気?
ご家庭のインコの羽が突然抜け始めたら心配になりますよね。繊細な生き物なため、少しでも様子に変化が見られると原因が気になると思います。
インコには換羽という生え変わりの時期がありますが、これは正常な生理現象です。しかし自分で羽を引き抜いている、抜けても新しく生えてこない、地肌が大きく露出してしまっている、出血があるなどの症状が見られたら、病気かもしれません。
今回はインコの羽が抜ける病気についてご紹介します。
■目次
1.考えられる原因と対策
2.ご家庭での注意点
3.まとめ
考えられる原因と対策
インコの羽が抜ける原因には様々なものがありますが、中でも代表的なものは以下が考えられます。
毛引き症
自分で羽をむしってしまう病気で、くちばしの届きやすい翼周囲に起こりやすいです。程度はその子によって様々ですが、重症の場合はくちばしの届く部分の羽を全て抜いてしまうこともあります。
また、ストレスによって発症するため生活環境や習慣を見直すことが大切ですが、改善が困難な疾患です。
PBFD
「オウム類嘴(くちばし)羽毛病」とも呼ばれ、「サーコウイルス」に感染することで発症します。羽が抜ける以外に、くちばしの異形や下痢嘔吐、免疫力の低下が見られます。また、3歳以下の若齢の子に発症しやすく、重篤かつ致死的な疾患で、残念ながら治療法はまだ確立されていません。
外部寄生虫
過剰に羽が抜ける場合や痒みが強い場合は、「ワクモ」や「ヒゼンダニ」などの寄生虫の可能性があります。これらは犬や猫に用いているものと同じ薬で駆除が可能です。
ご家庭での注意点
インコの羽が抜けていることに気がついたら、まずは生理的なものなのか病的なものなのかを判断する必要があります。正常な換羽でも、ごっそり抜けたり数か月間に渡り抜け続けたりすることもあるため、判断が難しい場合は動物病院で診察しましょう。また抜けた羽を観察し、異常が見られたら獣医師に相談してください。
PBFDや外部寄生虫は鳥同士で感染するため、家で複数の鳥を飼育している飼い主様は部屋を分けるなど生活空間を別々に工夫することが必要です。また動物病院の受診などで外に出る際は、必ずケージにいれて野鳥や他の患者さんから病気をもらわないように注意しましょう。
まとめ
インコの羽が抜ける原因には正常な生理現象と病気の両方がありますが、いずれにしてもインコの様子をよく観察してあげることが重要です。また換羽期は体力をとても消耗するため、栄養バランスや室内の環境に気を配るようにしましょう。
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